2007年7月16日 新潟県中越沖地震(M6.8)の特集
2007年7月16日 10時13分,新潟県中越沖を震源とするM6.8の地震(気象庁により平成19年(2007年)新潟県中越沖地震と命名)が発生しました。この地震により,新潟県の長岡市,柏崎市,刈羽村と長野県の飯綱町での震度6強をはじめ各地で強い揺れが観測されました。東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センターでは,震源域の地殻構造や余震活動を調査するため,大学を中心とした合同観測グループの一員として,地震観測点とGPS観測点の設置を始めます。
第174回地震予知連絡会(2007年8月20日開催)への報告資料
「2007年新潟県中越沖地震・能登半島地震・2004年新潟県中越地震震源域直下の地震波低速度域」
要旨
東北大の読み取り値および気象庁一元化による読み取り値を用い,2004年新潟県中越地震,2007年能登半島地震,2007年新潟県中越沖地震の震源域を含む領域の三次元地震波速度構造を推定しました。その結果,いずれの震源域においても本震の震源直下の下部地殻または最上部マントル(モホ面直下)に地震波低速度域が見出されました。それらの低速度域は,マントルウエッジ内の上昇流から分岐しているようにみえます。
第174回地震予知連資料(PDF)のダウンロード
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「2007年新潟県中越沖地震後の余効変動 ーGPS大学連合による緊急観測結果ー」
(東北大学・九州大学・北海道大学・東京大学・名古屋大学・富山大学)
要旨
東北大,九大,北大,東大震研の各観測班は本震発生の翌日に現地入りし,震源域周辺にGPS 観測点を14点新設しました。7月24日には名大により震源域北側に3観測点が増設されました。更に,富山大が2004年中越地震時に設置した観測点においても観測を継続し,併せて18点からなる観測網を構築しました(Figs.1, 2)。地震前後の変位データを用いて測地インヴァージョンを行い,地震時滑り分布を推定したところ,地震波形インヴァージョンによる滑り分布と概ね整合する結果が得られました(Fig.3)。なお,断層面形状については議論のあるところですが,ここでは北西傾斜の断層面を用いています。本震発生後約10日間にわたって明瞭な余効変動が観測されており(Fig.2),そのデータを用い てインヴァージョンを行ったところ,主要な地震時滑り域の深部で余効滑りが推定されました(Figs.4, 5)。余効滑りは地震直後に顕著でしたが,7月30日以降は終息しつつあるようにみえます(Fig.5)。
第174回地震予知連資料(PDF)のダウンロード
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※過去の地震予知連絡会資料は、地震予知連絡会資料からダウンロードできます。
臨時地震観測
東北大学地震噴火予知研究観測センターでは2007年新潟県中越沖地震緊急観測グループの一員として,臨時地震観測を7月17日より開始しました。

図.地震観測点分布図.赤枠および青枠で示すものが地震観測点を示します。紫枠のものはGPS観測点を示します。
謝辞 観測に際して新潟県・長岡市をはじめ地元の方々のご協力を賜りました。記して感謝いたします。
GPSによる地殻変動観測
2007年7月16日に発生した中越沖地震の地震後余効変動の定量的な検出のために東北大学地震噴火予知研究観測センターでは柏崎市・刈羽村の小中学校にご協力頂き,GPS観測を7月17日より開始しました。

図.GPS観測点分布図.紫三角印が今回設置したGPS観測点の位置.赤い十字印は国土地理院の電子基準点(GEONET)の位置を示します。
謝辞 本観測の実施において多くの小・中学校ならびに教育委員会の協力を得て観測場所のご提供を頂きました。記して感謝いたします。
波形モニタ記録
(画像をクリックすると拡大します)
新発田観測点(新潟県新発田市,左図)と佐渡観測点(新潟県佐渡市,右図)について,2007年7月16日00時00分より21時20分までの地震計(上下動成分)の波形を示します。左軸は24時間表示での時間で1トレースは10分の波形を示します。16日10時13分の本震(左図,中央付近),15時47分のM5.6の余震(左図,下から1/3程度の場所)など主な地震による波が見えます。
2004年新潟県中越地震・2007年新潟県中越沖地震震源域および周辺域の深部構造
- 2004年新潟県中越地震・2007年新潟県中越沖地震震源域付近の深部には地震波速度低速度域が分布しています.この低速度域はマントルウエッジ内の上昇流を起源とする流体の分布域を表していると考えられ,2004年新潟県中越地震・2007年新潟県中越沖地震と流体との関連が示唆されます。
文献:Okada, T., T. Yaginuma, N. Umino, T. Matsuzawa, A. Hasegawa, H. Zhang and C. Thurber (2006): Detailed imaging of the fault planes of the 2004 Niigata-Chuetsu, central Japan, earthquake sequence by double-difference tomography, Earth Planet Sci Lett, 244, 32-43.

図1.(a) 断層を横切るP波速度偏差の鉛直断面図.★は2007年新潟県中越沖地震を示します。大きな☆,小さな☆は2004年新潟県中越地震およびその最大余震・10/27のM6.1の余震を示します。黒+はその他の地震を示します。(b) 深さ16kmにおけるP波速度偏差分布.白細線は活断層の位置を示します。
新潟県中越沖地震震源域周辺の地震波速度構造
最近の地震活動
「東北大学微小地震観測網による過去24時間の地震活動」(東北大学の自動処理システムによる)
関連情報リンク
- 「平成19年新潟県中越沖地震 特集ページ」(東京大学 地震研究所)
- 「2007年新潟県中越沖地震 新潟大学調査団」(新潟大学調査団)
- 「平成19年(2007年) 新潟県中越沖地震」(防災科学技術研究所)
- 「「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」について(第5報)」(気象庁)
- 「「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」関連」(国土地理院)
- 「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)
- 「Latest Earthquakes in the World」(USGS)
- 「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震関連情報」(新潟県)
- 「災害情報 7月16日発生の地震について」(長野県 危機管理局 危機管理防災課)
- 「高速道路の状況 新潟・富山・石川・福井・長野・岐阜」(日本道路交通情報センター)
- 「リアルタイム道路規制情報」(国土交通省 北陸地方整備局 長岡国道事務所)
- 「北陸地方道路情報提供システム」(国土交通省 北陸地方整備局)
- 「交通規制情報」(新潟県 土木部)



