東北地方の火山 [分布|概説-1- |概説-2-

東北地方の火山[概説-1-](気象庁編:日本活火山総覧(第2版), 1991; 近年の火山観測の成果より)

    恐山 [879m,41°16′33″N,141°07′25″E] 3D鳥瞰ムービー
    恐山鳥瞰図

    流紋岩・デイサイト・安山岩からなる二重式火山(SiO2 53〜68%)。直径3kmのカルデラ内にある宇曽利山湖(恐山湖)のほとりには噴気孔や温泉が多い。外輪山上には多数の溶岩円頂丘が寄生している。
    別名:宇曽利山、於曽礼山、焼山。

    岩木山 [1,625m,40°39′12″N,140°18′24″E] 3D鳥瞰ムービー
    岩木山鳥瞰図

    安山岩(SiO2 56〜64%)の成層火山。主成層火山は緩傾斜の裾野と急峻な山体上部とからなる。 頂上部に直径800mの破壊された火口があり、それを埋めて現在の岩木山山頂など2個の溶岩円頂丘を生じた。西・南麓に3個の寄生火山があり、山頂部や山腹斜面に多数の爆発火口がある。山頂北東側の赤倉沢の馬蹄形火口は大規模な山体崩壊の跡で、北東山麓の岩屑なだれ堆積物には多数の流れ山地形がある。 有史後の噴火は水蒸気爆発。泥流を生じやすい。北東約10kmの一帯でしばしば地震群発。
    別名:津軽富士、岩城山、岩鬼山、奥富士、アソベノ森。

    八甲田山 [1,585m,40°39′22″N,140°52′51″E] 3D鳥瞰ムービー
    八甲田山鳥瞰図

    18の成層火山や溶岩円頂丘からなり、南北2群に分かれ、概して北群の方が南群より新しい。 南群の諸火山は安山岩〜流紋岩、北群の諸火山は玄武岩〜安山岩である。最高峰の大岳などには活発な硫気孔がある。
    別名:八耕田、耕田山、耕田八峰、八甲山。

    十和田 [690m,40°27′25″N,140°54′48″E] 3D鳥瞰ムービー
    十和田鳥瞰図

    二重のカルデラと後カルデラ溶岩円頂丘とからなる。 付近に数個の独立した安山岩の小型火山が生じた後、25,000年前と13,000年前に大量の火砕流を流出して、直径11kmの第1カルデラが形成された。その直後からカルデラ内南部に小型の安山岩火山(五色岩火山)が生じ、5,000年前頃まで、数回の軽石噴火を行い、山頂部に直径3kmの第2カルデラを生じた(現在2つの半島に囲まれている中湖)。 デイサイトの後カルデラ溶岩円頂丘(御倉山と湖上の御門石)があり、御倉山は約1,000年前の軽石噴火に引き続いて形成された。



    秋田焼山 [1,366m,39°57′40″N,140°45′38″E]
    秋田焼山鳥瞰図

    直径約7km、比高約700m、緩傾斜(15°以下)の山体からなる小型の成層火山。主に安山岩(SiO2 58%)の主山体頂部に直径600mの山頂火口(外輪山)があり、焼山山頂はその南西縁。2個のデイサイトの溶岩円頂丘が火口底の中央火口丘鬼ヶ城(SiO2 71%)と火口南東縁にある。 主山体東側に側火山栂森があり、その中央火口丘国見台から東に溶岩が流出している。主山体南側にも側火山黒石森がある。焼山山頂付近は硫気変質が著しく、山頂火口や山麓に多くの温泉がある。 西麓の玉川温泉は強酸性で、北投石(鉛を含む重晶石)の沈澱が有名。有史以後の噴火は鬼ヶ城や北面の爆発火口、空沼からの泥流流出などがある。
    別名:熊沢山、硫黄山。

    八幡平 [1,614m,39°57′18″N,140°51′27″E] 3D鳥瞰ムービー
    八幡平鳥瞰図

    主に安山岩(SiO2 53〜69%)の成層火山群で、頂部は高原状。火口湖・八幡沼などの小湖沼に富み、硫気孔・温泉・泥火山が特に多く、硫黄の採掘(松尾鉱山)が行われたことがある。

    岩手山 [2,038m,39°50′59″N,141°00′16″E] 3D鳥瞰ムービーと詳細説明
    岩手山鳥瞰図

    玄武岩〜安山岩(SiO2 50〜60%)の西岩手(三重式)・東岩手(二重式)の2成層火山が結合。 東岩手山の方が新しく、外輪山頂火口縁の薬師岳は本火山群の最高峰である。直径500mのこの火口内にある中央火口丘・妙高岳の火口(直径150m)の底部では硫気活動が盛んである。有史後の噴火は、西岩手山大地獄(現在も硫気活動活発)での小爆発1回のほかは、すべて東岩手山である。爆発型噴火が特徴であるが、溶岩を流出したこともある(17、18世紀)。
    別名:南部富士、岩手富士、岩鷲山、岩珠山、奥の富士、霧山岳。

    秋田駒ヶ岳 [1,637m,39°45′30″N,140°48′10″E] 3D鳥瞰ムービー
    秋田駒ヶ岳鳥瞰図玄武岩〜安山岩(SiO2 49〜59%)の二重式成層火山。 山頂部北東側の北部カルデラ(1.2km×1km)と南西側の南部カルデラ(3km×2km)が相接しており、カルデラ形成期の火砕流・降下火砕物 が山麓や火山東方に分布する。北部カルデラは女目岳(最高峰)などの火砕丘や溶岩にほとんど埋積されており、カルデラ北縁から北西方に溶岩が流下している。男岳は北部・南部両カルデラの接合部西縁上の峰。南部カルデラには女岳・小岳・南岳火砕丘があり、それらからの溶岩流がカルデラ底を覆い、カルデラ南西縁から溶岩が西方に流下している。今世紀初頭までは北部カルデラ内の硫黄沈澱物から硫気の上昇が認められていた。また、山麓には温泉が多くみられる。有史以後、水蒸気爆発しか知られていなかったが、1970年〜1971年の噴火では溶岩流を流出し、小爆発をしきりに反復した。
    別名:駒形山、御駒山。

    鳥海山 [2,236m,39°05′47″N,140°03′08″E; 2,229m,39°05′48″N,140°03′17″E] 3D鳥瞰ムービー
    鳥海山鳥瞰図

    玄武岩〜安山岩(SiO2 51〜62%)の巨大な二重式成層火山。基底の直径は、東西21km、南北21km。 地形的にはなだらかで侵食が進んだ西鳥海山とやや急峻で新しい溶岩地形をもつ東鳥海山に二分され、それぞれの山頂部に山体崩壊によって生じた馬蹄形カルデラがある。活動史は大きく3期に区分される。第1期はこの火山の主体を形成した時期、第2期は溶岩が西鳥海山の表面を覆った時期、第3期は山体東部に円錐形の東鳥海山が形成された時期(西山腹猿穴火口からの溶岩流を含む)。約2,600年前、東鳥海山の山頂部が崩壊して岩屑なだれが北から北西に流下し、北に開く馬蹄形カルデラが生じた。象潟、由利原の多数の流れ山はこの堆積物の地形。同カルデラ形成後、カルデラ内山頂部付近の活動が続き、溶岩流がカルデラの約1/3を埋積した。東鳥海山の2つの中央火口丘のうち、新山(別名、享和岳)は、1801年の噴火で生じた溶岩円頂丘。有史後の活動は、1801年の噴火以外は火山灰の放出であった。泥流を生じやすい。
    別名:出羽富士、秋田富士、羽山。